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KADOKAWAの新人漫画家への仕打ちを描いた漫画が壮絶すぎる件

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『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』という漫画を読んだ。

作者は『桜色フレンズ』を描いた新人漫画家の佐倉色さん。
今『けものフレンズ』で話題のKADOKAWAの編集者との間に起こったバトル……と言いますか、作者が一方的に受けた仕打ちについて実録漫画にしたもの。

物語は、作者が漫画家になった経緯から始まる。当時WEBに自分の作品を載せていた佐倉さんは、ある時書籍化の連絡をKADOKAWAの編集者からもらう。

この時に軽い気持ちで承諾してしまったことが辛い日々の始まりとなってしまった。
最初はちょっとおかしいかな、ぐらいに思っていた編集者さんでしたが、その後の仕事振り・対応振りはこれが真実なら目を疑うほどにひどい。

・コンテンツを独占したいがゆえに他社に決まっていた作品を半ば強奪する強行突破プレイ
・度重なる連絡ミス、打ち合わせのすっぽかし→「忘れてました」
・KADOKAWAが運営するウェブサイトで作者本人のイラストの無断使用
・漫画のセリフを勝手に改ざんされる
・色紙を応募者全員にフルカラーでキャラクター指定で描け(1600枚以上来て対応を頼んでもしてもらえなかった)
・「打ち切りになるならこのキャラは出さないほうがいい」→「打ち切りになんかなりませんよ~」→「すみません打ち切りです、あと4話でまとめていただけませんか」
・公式の予告で漫画のネタバレをされる
・その他諸々、反故にされる約束

こんなに人は無自覚・無責任になれるものなのだろうか、というほどに、何かネジの外れた対応をし続ける編集者。そして編集長にもなかなか報告があがらず、どんどん事態は炎上方向に。

例えば、ここで出てくる編集者さんは「精神的に追い詰められて描けなくなり、突然連絡が取れなくなった新人さんを田舎の実家まで追いかけ、玄関をガンガン叩いて親を呼び出した」話を笑いながらするとか、事実であればものすごいことを平然とやっている人として描かれている。

我慢し続ける作者さんの対応も「もう早く逃げたほうが……」と漫画を読みながら思ってしまうほどで、なんというかこんな事世の中にあるんだ、というぐらい仕事振りが雑な編集者サイドにあきれてしまう。

そしてだんだんと病んでいく作者。描写を読んでいるとこちらまで胃がきゅうきゅうしてくるような感じすらしている。でもそれでも頑張る作者。

なんかもう、これが事実だとするとこれってどういう仕事の対価として給料を貰っているんだろう、というのが率直な感想。
かつ、「どうせKADOKAWAだから」という世の中的な諦めみたいなムードもどうもあるようで、なんかすごい世界だなと慄然としてしまった。

しかし、この漫画にも出てくるが、こういったクリエイターさんと編集・出版社のトラブルというのは、この方にかぎらず結構多いということらしい。

こんなにとんでもないストレスを抱えながら一つの作品が世に出ていくのか……と思うと、何かがおかしいような気がしてならない。

例えばKADOKAWA系の炎上事件といえば思い出されるのが「カクヨム・ろくごまるに先生事件」で、これも本作と同じようなKADOKAWAの対応によってバトルが引き起こされた例である。

カドカワ 富士見と独占契約したけど本が出ないハートフル物語《ストーリー》
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880239915
これは結局どうなったのかよくわからないわけだけど、少なくともそういうことは結構あるってことで、恐ろしい。

とはいえ、後半の展開は佐倉さんに対してあたたかい言葉をかけて下さる方もいるんだ、ということも分かってくるのだが、その人達の中には佐倉さんと似たような経験を持つ人も含まれており、業界的に結構大丈夫なのかという感じがする。

最後の方の展開は思わず読みいってしまい、かなりウルッときてしまった。

もしかしたらKADOKAWA側にも様々言い分はあるかもしれないけど、この漫画作品『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』は問題提起としてものすごく考えさせられた作品で、Kindleで読めるので是非読んでみていただきたい。

(追記)
読んだ方からこちらの記事も紹介された。
上記でも紹介したように、双方に言い分があるということで、あまりねとらぼの下りは自分としては取り上げたつもりはなかったのですが、本作ではねとらぼさんとのやり取りについても記載されています。事実関係について、こちらはねとらぼ編集部からの見解を追記します(繰り返しになりますが、この記事ではあえて取り上げていなかったので注記が混乱を招くかもしれませんが)。

漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』について、編集部の見解
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1706/10/news018.html

漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』について、飛鳥新社に強く抗議します
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1706/30/news114.html

また、上記の本文でも書いたし、また、本文中でも何度か「事実だとすると」という表現を用いているが、KADOKAWA側にも何か反論・主張があると推察されるし、それは読み手のリテラシーに委ねられているのは当然のことである。であればこそ、ねとらぼさんのように、事実と違う側面があればそれに抗議するとか、「つまびらかにする」ということをしてほしいと切に願う。当然、もし事実と違うことを言われた側としては余計な手間が増えるという側面はあるので、然るべき対応は必要なのだが。

ここでこの記事を書いたこと、ねとらぼさんのことを触れなかった一方、もう一社のほうについて取り上げたのは、同様とは言わないまでもそれに似たことを見聞きするからである。また、これは個社の問題とか、出版業界の問題というよりは、あらゆる業界・業態においてこうしたことが起こった場合どう対処すればいいのか、また、どう仕組みを改善していけばいいのか、という問題につながると思っており、こうしたことを考える一助として本書は非常に役に立つと思っている。

【関連記事】
【9/28更新】『けものフレンズ』たつき監督降板騒動の関係者発言・経緯まとめ
https://www.noahpeah.com/blog/kemono-tatsuki/

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