Fintech 仮想通貨

【FIN SUM WEEK】SBI 北尾吉孝CEO講演「仮想通貨の未来」メモ

投稿日:2017-09-21 更新日:

LINEで送る
Pocket

FIN SUM WEEKというイベントが現在丸の内界隈で開催されていますが、その中のイベントで、日経主催で行われたプレゼンでSBIの北尾吉孝氏が9月21日、更新しました。走り書きのようになっていますが、講演の内容をメモしたものを共有します。

過去に事業を開始したときは、インターネットの爆発的な技術を用いて金融業界に創造的な破壊をもたらそうとした。
破壊を世の中に生まれ変わった秩序として定着していくという努力があるが、また、その秩序すら新しい技術に破壊される運命にある。こうしたプロセスを繰り返し続けていかない限りは発展がない。こうした自己否定と創造のプロセスを通じて資本主義が成り立っている。

本日のキークエスチョンは3つある。
1.仮想通貨のポテンシャルについてどのように考えているか?
2.仮想通貨について、具体的にどのような役割を期待するか?
3.最近、日本の金融グループがグループごとに仮想通貨を作っているが、これはどこまで発展し、どういう役割を果たすのか?

仮想通貨に注目した理由は、ケインズが提唱した世界共通の決済通貨「バンコール」にある。
第2次大戦後、ポンドを基軸通貨として成り立たせることができなくなってくる中で、バンコールという通貨の導入を英国がブレトン・ウッズ会議で導入を公式提案したが、アメリカの合意を取り付けることができなかった。
こうしたことから、世界共通の仮想通貨が人類にもたらされたらどうなるか、非常に関心を持った。
仮想通貨のコンセプトを世界中に定着させていくことが非常に重要ではないかと思っている。

急激に仮想通貨市場は成長している。時価総額でみると、11兆円、ピークで20兆円。際立った成長であり、これ自体を否定する世界ではないということである。ビットコインはVISAやペイパルなどに比べれば決済の取引量はまだまだ少なくなっている。

ICOと言われるような試みもなされている。タイのOmise Holdingsにも投資をしているが、彼らもICOを行った。OMGの時価総額が1,000億円と、うなぎのぼりになっている。

では、どんなボトルネックがあるのか。
マイニング。今のビットコインはマイニングによって増やされている形式。そのマイニングのコストは電気代である。大型のコンピュータを回していかないといけないが、日本と中国では電気代が違う。日本は1kWhあたり10円以上する。中国では産業用電力の料金が安い。4-6円ぐらい。全体のマイニングプールのシェアは中国企業に偏っている。このような偏った状況でいいのか、というのが一つの問題である。

もう一つの大きな問題点がボラティリティ。普及が十分ではない。実需の伴わない投機的需要により、ボラティリティが高い。もっと普及して取引がされるようになれば、ドル円相場のように低いボラティリティになっていくだろう。
ボラティリティを安定化させようという仕組みが様々出てきている。金融システムとしては、デリバティブのマーケットが必要だ。レッジャーXという会社がニューヨークでビットコインとドルのオプション取引の提供を計画している。日本でも、SBIは、仮想通貨のデリバティブをB社と共同で開始予定だ。

日本国内でも、ビットコイン建てで債券を発行しようという動きがある。フィスコ仮想通貨取引所がビットコイン建て債券を試験的に発行した。
ホワイトペーパー出ているからといって、ICOを信用してはいけない。モーニングスターに評価の仕組みを要請している。金融の世界は慎重の上に慎重を期してやっていかなければならない。

私(北尾氏)は仮想通貨取引所をやろうと思っている。しかし、北朝鮮がマイニングをしようとしていたり、ビットコインを奪おうとハッキングしようとしたりしている。脅迫のようなこともされ、ビットコインで払えと言われる。こうした状況の中で、実際に動いている取引所ではセキュリティに関して整備しているのか。金融庁も、遅れてもより慎重に対応すべきではないか。

11月にまたビットコインに関してハードフォークがある。できるだけ多くの機関投資家がマーケットに参入することでボラティリティを小さくするのが重要。この中でSBIは仮想通貨のヘッジファンドを作ることを発表している。

ビットコインの取引が多くなり、処理が遅れている問題が発生している。SegWit2は従来のビットコインとの互換性がない。8/1にビットコインキャッシュが誕生したが、SBIでは会社を作って、ビットコインキャッシュで30%のシェアを得ようとしている。電気料金を安くする方法もだいたい確立したが、企業秘密。

ビットコインキャッシュについてはソフトフォークだった。ハードフォークになったらどうなるか。いずれ8Mbitが勝利するだろう。ビットコインとビットコインキャッシュ両方を得られるようにしているが、技術的にはビットコインキャッシュが優位だろうなと考えている。

中国の仮想通貨規制が相場の変動に大きな影響を与える。各国で規制の議論が進んでいる。
日本では、仮想通貨について消費税法上の支払手段として規定した。これは大きなことだと思う。

仮想通貨にかかる会計上の取扱なども進んでいく。こうした議論の前に取引所がどんどん作られている状況である。

(SBIが投資している)リップルはNo1カンパニー、グローバルスタンダードになる。完全に非中央集権的なビットコインができたら中央銀行や金融機関が要らなくなってしまう。金融機関フレンドリーな仮想通貨を立ち上げているのがリップルだ。フレンドリーでないと普及していかない。だからいち早く投資することを決めた。ビットコインの900分の1の決済までの時間ですむ。リップルはILP(インター・レッジャー・プロトコル)を噛み合わせて、送金コストを安くしている。

こういった仕組みを使ってSBIは韓国や国内でも実証実験をした。タイとも仮想通貨を使って国際送金をやろうとしている。
トレードファイナンス、貿易金融にも使おうとしている。R3のCordaがいいと思っている。国際送金はRipple、貿易金融はCordaという使い分けを目指して、R3の最大株主になっている。

いきなり仮想通貨に行くのではなく、現実と仮想をコンバインするようなサービス、Wirexという英国のベンチャーに投資した。ワイレックス社のアプリ上で仮想通貨を米ドルやユーロ、ポンドへと瞬時に交換できる。そういったところにも出資している。

銀行でも早急に取り入れろという話をしている。
ブロックチェーンの活用。仮想通貨の中核的技術。このブロックチェーンをしっかり使っていくことが重要。行政や金融取引、あるいはそれ以外の産業、例えば不動産や音楽業界でもどんどん使われていますよ、ということになれば、中核的技術への安心感が生まれてくる。この推進をやらなければならない。SBI A&B Fundというのも立ち上げた。AはAI、BはBlockchainだ。300億円でスタートして、例えばヘルスケア業界で生まれてきているようなアイデアなども取り入れていきたい。

JコインやMUFGコインやといろいろある。ガラパゴスになってもしょうがない。やっぱり一番大事なのは、グローバルスタンダード。日本はキャッシュ。最大のキャッシュの利点は匿名性。現金である限りは、追えない。デジタルアセットなら全部押さえられる。日本人は匿名性を大事にするから、普及しないだろう。これに力を入れすぎるとダメになる。日本はグローバルスタンダードを追求することに弱い。ドコモもAppleにシェアを奪われた。日本人はもっと頑張らなければならない。堂々と自分の主義主張を世界中に拡げていかなければならない。

Fintech投資でSBIグループは世界でNo1の評価を受けている。極めて安全で便益性の高いサービスを提供することに貢献したい。

日経からは、成功企業に学ぶ実践フィンテックというタイトルから出ている。

【FINSUM WEEK】ICOについて京大岩下氏、VALU小川氏、テックビューロ朝山氏らが語る
https://www.noahpeah.com/blog/instant-millionaire/

-Fintech, 仮想通貨
-, , , , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

【FINSUM WEEK】ICOについて京大岩下氏、VALU小川氏、テックビューロ朝山氏らが語る

「INSTANT MILLIONAIRES? THE RISE IN INITIAL COIN OFFERINGS」と題するFINSUM WEEKのセッションについてのメモです。 参加者は以下の通り。 …

Fintechに関する日銀・金融庁の動きまとめ

新聞紙面上で話題になっているFintechですが、こうした社会の動向に対して日銀・金融庁はどのような動きをしているのでしょうか。まとめてみました。 2016/4 日銀、4月にフィンテックセンター(30 …

「ブロックチェーン」が深く理解できるおすすめ本・資料7選

最近はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が世間を賑わせていますが、その基盤となっている技術の一つが「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンとは、「分散型台帳」などとも呼ばれますが、一言で言って …

仮想通貨での資金調達方法「ICO(Initial Coin Offering)」を解説

最近新聞紙上を賑わせているのがICO(Initial Coin Offerring)。では、ICOとは何なのでしょうか。ICOの意味は何なのでしょうか。また、ICOでは今何が起こっているのでしょうか。 …

【初心者向け】5分で分かる!ビットコイン・イーサリアムを簡単解説

最近話題の仮想通貨、ビットコインとイーサリアム。 毎日新聞市場を賑わせているこれらの通貨は、今買えば値上がりするかもしれません。 (ただし購入は自己責任ですよ!) さらに、最近ではETFに採用されるの …

ビットコイン取引高日本一の仮想通貨取引所 coincheck bitcoin

はてなブックマークで人気

アーカイブ